20161127

2017年3月「作業療法を観る」を発売します.







作業療法を観る(株)シービーアール」が2017年3月に発売となります.


この教材は,DVD(約120分)付きの書籍です.
まず書籍の前半では,作業が持つ力や作業療法士の技について学びます.


その後,DVDを通して実際の作業療法実践について学びます.
DVDには7つの事例が収録されており,7人の作業療法士が,
様々な場面でクライエントに寄り添いながら支援を行う様子を観ることができます.


また,DVDの中では,途中に担当療法士のインタビューも収録されていますので,
単に評価・支援の様子を観るだけでなく,作業療法プロセスの中で,
療法士が何を考えたのか?評価結果をどう解釈したのか?等,
頭の中を覗くことができる構成になっています.


過去の映像媒体の教材を散見すると,
評価手技や治療技術を学ぶものはたくさん発表されていますが,
実際の臨床では,他の問題も沢山あります.
急性期でのOTの役割ってなんだろう?
悲観的なクライエントとどう接したら良いんだろう?
拒否が強いクライエントとどうすれば関係性を構築できるんだろう?
外来の短い時間でクライエントの作業にどう関われば良いんだろう?…etc
さまざまな障壁が療法士を悩ませます.
「作業療法を観る」では,このような悩みを解決するヒントが沢山収録されています.


そしてDVDを観た後は,書籍の後半のワークシートへと進みます.
ワークシートでは,各事例について,担当の作業療法士が大切にしていた視点,
協働の要点等についての問が掲載されています.
(もちろん問に対する療法士の解釈例も別項に掲載しています)


つまりこの教材は,書籍の前半で作業療法に必要な基礎知識を”確認”し,
DVDを通してリアルな臨床場面を”擬似体験”したあとで,
ワークシートを通して”考える”構成になっています.


この教材は,単にDVDをみて,作業療法士の”手段”を真似るのではなく,
その手段を選択した理由を考えることに価値をおいています.
上記のプロセスを経ることで,形骸化した手段の模倣にならないよう配慮しています.


「作業療法を観る」は,
養成校の学生さん向けの教科書・参考書として,
病院・施設の新人や若手セラピストの教育材料として,
様々な用途で活用することを想定して制作しています.
ワークシートは,複数でディスカッションしながら使用すると
より有意義な使用となると思います.




20161115

クライエントと職場とOBP ①




2017年5月13日(土)−14日(日)
日本臨床作業療法学会 第4回学術大会を宮城県仙台市で開催します.
*現在,演題募集・参加登録を受付中です.公式HPはコチラ


そしてもう1つ.
宮城県で学術大会を開催することを記念して,
東北地方で頑張っているOTの方々に少しでも貢献したい!
その思いから,来年の1月14日(土)に仙台市で研修会を開催することにしました.






ボクは作業療法士になって今年で16年です.
思い返せば,最初の頃は作業療法の面白さなんて全然わかりませんでした.

学生にそう言うと,「齋藤先生にもそんな時期あったんですか?ずっと作業療法バカだと思ってました(笑)」と言われますが,ホント悩んでばかりでした.


「何かを変えなくちゃいけない」
そう悶々とした日々を過ごしながらも
1歩目を踏み出すことは簡単ではありませんでした.


でも1歩目を踏み出したことで全てが変わりはじめました.


クライエントが変わりました.
チームが変わりました.
職場が変わりました.
何よりも自分が変わりました.


そして行動すればするほどに
同じ志の仲間とたくさん繋がりました.


今回の研修会では,ボクが16年間
クライエントにしてきた作業療法のことや
自分自身にしてきた作業療法のことを
できるだけ詳しくお伝えしようと思っています.


これまで東北地方でお話する機会がほとんどなかったので,
ぜひ東北の人たちに聞いてほしいと思っています.


そして,研修会に参加したら,
ぜひ同じ志を持つ人同士で繋がってください.
その為に懇親会も企画しています.
沢山の方のご参加をお待ちしています.



テーマ:クライエントと職場とOBP
日 時:平成29年1月14日(土)10:00〜15:00(9:00受付開始)
会 場:仙台青葉学院短期大学長町キャンパス
講 師:上江洲聖(日赤安謝福祉複合施設) 齋藤佑樹(日本保健医療大学)
参加費:無料(先着100名)
主 催:日本臨床作業療法学会 第4回学術大会
その他:日本作業療法士協会 生涯教育基礎研修に該当します(1ポイント)











20161113

作業療法を観る



昨日は朝から家族で上野でした.娘のリクエストでステーキを食べ,
その後,肉の匂いが染み付いた服を何度も擦り,
レノアハピネスの香りを復活させてから家族と別れ銀座に移動しました.

午後からは銀座で仕事です.
ちょうど友利さんもOT協会の仕事で上京していて,今銀座にいるとのこと.
もしかして…と思い Apple store を覗くと





もしかしてが的中しました(笑)ほんと約束なしの偶然ですw
その後,少しだけ立ち話をしてから銀座のレコーディングスタジオへ






スタジオでは,恩師の菊池恵美子先生と一緒に監修させていただいている動画教材
「作業療法を観る」(株シービーアール)のナレーション録音を行いました.
もちろん録音するのは僕ではなくプロの声優さんですw

「作業療法を観る」は,①テキスト,②DVD,③ワークシートからなる教材です.


①テキストでは,まず作業はどのような力を持っているのか?(作業の力),そして作業療法士はどのような視点でクライエントを捉え,どのような支援を行うのか?(作業療法士の技)について確認していきます.テキストはDVDを観る前の基礎知識の確認という位置づけです.

 ②DVDでは,作業療法士がひとりのクライエントと

「どのように関わり」
「どのように大切な作業を共有し」
「どのように支援していくのか」

を学んでいきます.このDVDは,実際の事例報告をもとに作成した15分〜20分程度の動画が7本収録されています.この動画を作成するにあたって,7名の作業療法士に協力していただきました.急性期〜生活期まで,様々な場所・状況で作業療法士は何をするべきなのか?をわかりやすく学ぶことができると思います.

またこの動画は,単に評価内容やプログラムを紹介するだけでなく,クライエントの浮き沈みする心に,作業療法士がどのように寄り添い,クライエントの状況をどのようにリーズニングしているのか?など,作業療法士のインタビューを要所に織り交ぜながら展開する構成になっています.

③ワークシートは,各動画の中で作業療法士が大切にしていたことをより深めるための構成になっています.





「作業療法を観る」は,テキスト,動画,ワークシート,この3つが一緒になっていることに意味があります.

まずテキストで作業療法士が大切にすべき知識を学び,動画を通してよりリアルな疑似体験をし,最後にワークシートで学びを深めていく.つまり「読む・観る・考える」のプロセスを大切にしています.

実習を前にした学生さんが講義の中で使用したり,病院・施設の新人教育で使用するなど,色々な場所で活用できると思います.

今,出版に向けた最後の作業に入っています.発売日は近日中に皆様にご報告できると思います.





夕方6時に仕事を終え,上野動物園で遊んでいた家族と合流するため上野へ逆戻り.
「どこにいるの?」→「アメ横」
「アメ横のどこ?」→「ゲーセン」
「どのゲーセン?」→「来ればわかる」

「え〜…」と思いながらも,とてつもない偶然で友利さんに遭遇した今日の自分なら!と散策すると,すぐに家族を発見(笑)アメ横の焼き鳥屋で夕飯を食べて無事に埼玉に戻りましたw














20160815

マネジメント本が変えること③







「自分が10年かかったことを学生には5年で達成できるようにしてあげたい」


3年前,僕が教員になることを決めたときに友利さんからもらった言葉.
いつも講義の準備をするときは,この言葉と一緒に作業をしてきた.


学生に対して自分がしてきた経験をそのまま提供したら,
学生もまた10年の時を必要とするかもしれない.
それはたぶん放任と同義.


学生に対して技術をマニュアル化して提供したら,
学生は1年で手段を身につけることができるかもしれない.
でもそれはたぶん形骸と同義.


暗中模索した苦しい遠回りは回避させてあげたい.
でも模索の過程で出会った試行錯誤には大きな意義があった.


強い意志のもとでは主体的な行動全てが有意義だった.
でも意志の生成自体に大きなエネルギーを要することも多かった.


様々な矛盾・葛藤を整理した上で,講義のときにいつも意識していたのは,
①興味・関心の生成,②テーマ・目標の設定,③主体的に考える機会の提供,
④行動を変えるための経験機会や代理体験の提供,⑤振り返りによる強化.
結局たどり着いた形は,ほとんど臨床と同じだった.


でも必要な要素が酷似しているのは当然.
なぜなら教育も臨床も「人が”自ら”変わるための支援」だから.
そして①〜⑤の要素はもちろん自分自身にとってもおなじ.


「クライエントに有意義な作業療法を提供する」
僕達の大切な作業の可能化のために,自分自身に作業療法をしよう.
人−環境−作業,全ての側面にアプローチしよう.


自分自身に作業療法をした人達の
WhyHowWhatが詰まった「マネジメント本」は9月の学会で.



僕達はもっと自分自身に作業療法ができる.