20140329

We Start




学術大会の記事を書こうと思いつつ,
職場が変わったばかりでなかなか記事を書くことができませんでした.
改めて,感想などを綴りたいと思います.


大会に参加された皆様,まずは本当にお疲れ様でした.
素晴らしい二日間で,今でも興奮冷めやらぬといった感じです.


今までどんな学会で発表しても,OBPに関する演題はほんの僅か…
いつも肩身の狭い思いをしていたあの頃が嘘のようですね.


発表された方々が皆,
作業に焦点をあてた発表をされていました.


今回の大会のテーマは,「We Start」でしたね.
また,僕の中には2つのテーマがありました.それは,
「同じ志を持った人達が繋がることでエンパワメントすること」
そしてもう一つは,「共通の課題を見出すこと」でした.


繋がることに関しては,皆かなり達成できたのではないでしょうか?
発表会場だけでなく,ランチを皆で食べることや,懇親会のゲームなど,
繋がるためのファシリテートも沢山ありましたよね.


会場でも,そして懇親会でも,
皆さん至る所でディスカッションされていたと思います.


発表者だけでなく,参加者もかなり
「参加してる」感が強い二日間だったと思います.
また,共通の課題に関しても,かなり見えたものがあったと思います.


大会の最後に発表された,最優秀演題賞,そして優秀賞の選定に関しては,
理事の意見を持ち寄り,協議によって決定しました.
僕も沢山の会場に足を運び,口述・ポスターを拝見しました.


ちなみに僕の個人的な選定基準は,

・クライエントの作業ニーズに焦点を当てていること
・作業を文脈を含めて捉えていること
多面的なリーズニングによって介入手段を選定していること
・目的作業,手段的作業,実存的作業など,作業の力を活用していること
・経過をクライエントの主観,そして客観的データで追跡していること
・目標と結果を作業遂行の視点で,客観的.主観的側面の両方で表していること
・セラピストの手を離れた後のフォローのデータがあること
・これらの要素を適切な言葉で表現していること でした.


作業療法はクライエントの人生に深く関わる仕事です.
それは別の表現をすれば,経過がとても物語的になります.
その物語はセラピストの中で作られた小説であってはいけません.


クライエントとセラピストの協働の道程によって
構築された作業遂行技能と,
習慣化による行動変容の安定化と,
その道程から生まれたクライエントの肯定的な解釈によって
もたらされるべきです.


この学会が,傷を舐め合う集団にならないように,
共に結びつき,繋がり,互いを高め合い,
そして1人でも多くのクライエントの利益を生み出し,
そして作業療法の価値を高められるような集団にならなければいけません.


みんなが同じような悩みを抱えています.
誰にも理解してもらえないような阻害感を日々感じている人もいます.
自信が持てない人が沢山います.
僕自身もずっとそうでした.


そんな作業療法を愛する人達が,
やっと同じ志の基に集い,繋がれる場所ができたんです.


だから僕達は,この繋がりを,
この学会を大切にしなくてはいけません.


それはつまり,繋がったことや集えたことに満足するのではなく,
集ったことで見えた課題を真摯に受け止め,
前に進み,丁寧に臨床を行い,
一歩前進したそれぞれが翌年再び集うことだと思います.


作業療法を大切にするために,
日々の作業療法を大切に行い,
また来年,沖縄に集いましょうね.





追伸

本大会では,「作業で語る事例報告」が先行販売されました.
医学書院さんのご協力のもと,会場に200部を用意して頂きました.

正直初日に売り切れるとは思いませんでした.
購入してくださった皆様,本当にありがとうございます.

また,Amazonの予約もかなりの数をいただいており,
現在,作業療法部門で一位にランキングされています.

僕達編者の作業療法に対する思い,
そして,事例や記事を提供してくださった方々の

熱い想いが詰まった書籍をよろしくお願いいたします.




20140313

CLと一緒に作業の可能化について悩むために,作業療法に悩むのはもう終わりにしよう




いよいよ日本作業療法学会第一回学術集会が迫ってきました.
今回僕は,「作業に焦点を当てた実践を考える」というテーマで
特別講演1を担当させていただきます(3月22日,10:10〜11:10).




以前このブログの記事で紹介したゴールデンサークルでは,
物事はWhyから始まることが大切だと言っています.


作業療法も全く同じだと思います.
Whatの質を高めるためには,
つまり質の高い可能化の支援を行うためには,
まずWhyHowを理解することが重要です.


Whyとは作業療法の目的であり,
Howとは作業に焦点を当てた実践や
トップダウンアプローチでしょう.


「作業療法は難しい」
「作業療法は人に伝えづらい」
「作業療法は曖昧だ」


今回の講演では,このような悩みに対する答えを
ゴールデンサークルの構造になぞりながら
僕の言葉でお話しようと思います.





また,今回の学術集会では
いよいよ「作業で語る事例報告(通称事例本)」が発売されます.


【目次(章目次のみ紹介)】
1章:作業に焦点を当てた実践とは?
2章:作業療法の対象とプロセス
3章:作業に焦点を当てた実践のポイント
4章:代表的な学問,理論,評価法,治療手技
5章:作業に焦点を当てた事例報告の書きかた


正式な発売日は,4月に入ってからですが,
医学書院さんの御配慮によって
200部限定で先行販売していただけることになりました.
興味のある方は,ぜひ読んでみてください.
*まだお披露目できませんが,表紙も超カッコイイです(笑)


今回の学術集会は,参加者300名に対して,
発表者100名以上!超参加型の大会ですね.
僕達で日本の作業療法を盛り上げていきましょう.


CLと一緒に作業の可能化について悩むことが
僕達の仕事です…


作業療法に悩むのは
もう終わりにしましょう…




サイモンシネック:優れたリーダーはどうやって行動を促すか