20160815

マネジメント本が変えること③







「自分が10年かかったことを学生には5年で達成できるようにしてあげたい」


3年前,僕が教員になることを決めたときに友利さんからもらった言葉.
いつも講義の準備をするときは,この言葉と一緒に作業をしてきた.


学生に対して自分がしてきた経験をそのまま提供したら,
学生もまた10年の時を必要とするかもしれない.
それはたぶん放任と同義.


学生に対して技術をマニュアル化して提供したら,
学生は1年で手段を身につけることができるかもしれない.
でもそれはたぶん形骸と同義.


暗中模索した苦しい遠回りは回避させてあげたい.
でも模索の過程で出会った試行錯誤には大きな意義があった.


強い意志のもとでは主体的な行動全てが有意義だった.
でも意志の生成自体に大きなエネルギーを要することも多かった.


様々な矛盾・葛藤を整理した上で,講義のときにいつも意識していたのは,
①興味・関心の生成,②テーマ・目標の設定,③主体的に考える機会の提供,
④行動を変えるための経験機会や代理体験の提供,⑤振り返りによる強化.
結局たどり着いた形は,ほとんど臨床と同じだった.


でも必要な要素が酷似しているのは当然.
なぜなら教育も臨床も「人が”自ら”変わるための支援」だから.
そして①〜⑤の要素はもちろん自分自身にとってもおなじ.


「クライエントに有意義な作業療法を提供する」
僕達の大切な作業の可能化のために,自分自身に作業療法をしよう.
人−環境−作業,全ての側面にアプローチしよう.


自分自身に作業療法をした人達の
WhyHowWhatが詰まった「マネジメント本」は9月の学会で.



僕達はもっと自分自身に作業療法ができる.





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