20101221

その気になるということ・・・




七福神は、いつも皆で笑っています。しかしこの七人の神様は、それぞれ性格も、考え方も全く違う七人なんだそうです。「おまえは、俺と全く考え方が違うけど、面白いやつだな~」と笑っているのだそうです。自分と同じ考えを持つ人を味方とみなし、違う考えを敵とみなす・・・これが最も不幸なことだと・・・異物を受け入れて、それでもなお笑っている。そんな状態が幸せなのだそうです。

正月の餅を神様にお供えする理由を御存知ですか?神様の一番の好物は、”人の和”なのだそうです。家族みんなで、息をあわせて汗を流しながら餅をつく・・・そんな家族の和が神様の一番の喜びなのだそうです。

僕の実家は会津の田舎です。大晦日は、朝から鶏ガラを煮ます。会津の年越し蕎麦は、鶏とゴボウでだしをとります(絶品です)。朝から一日かけて、鍋の前でアクを取りながら、ゆっくりと一年を振り返ります。大晦日の夜は、普段使用していない奥座敷に家族全員が集まり、お膳を囲みます。メニューも毎年決まっています。元旦は蕎麦、二日は餅、三日はトロロと決まっています。毎年新年の始まりは、恒例の作業を通して新年を実感するのです。

今は、妻の仕事の関係などで、年末年始は郡山で過ごすことが多くなりました。でも僕は郡山でも、やはり大晦日は朝から鶏を煮ています。台所で椅子に座り、鍋の様子を時々見ながら、本を読んだりしながら、ゆっくりと一年を振り返るのです。

年末年始だけではありません。入学式や卒業式など、人は様々な恒例行事を経験します。その全ては、決してしなければならない義務はありません。入学式なんてなくても、ましてや大晦日に鶏を煮なくても誰も困らないはずです。しかしこれらの作業は非常に大切な作業です。人は、色々な節目に、”その気になる”作業が必要なのです。川のように流れるナラティブに、定期的に楔を打ち、自己の認識をより組織化するのです。それが未来の活力や、過去の肯定や整理につながるのです。

今年からウチの職場は、年末年始稼動します。去年は、仕事収めの前日に、クライエント皆と年越し蕎麦祭りを行いました。朝からクライエント・スタッフ皆で分担して、蕎麦を打ち、ダシを作り、クライエントに配り、嚥下障害のあるクライエントには、ダシにトロミを付けて、クライエントやスタッフ皆で大騒ぎでした。院長はサプライズで大量の天ぷらを差し入れしてくれました。でも今年はそれも無理そうです。作業療法室の大掃除もできません。日々の掃除の最中に、大掃除を分担して行っています。今年の僕は、鶏ガラを煮ることができないかもしれません。二日の餅も、三日のトロロも同様です。クライエント達が、昨年を振り返り、新年の訪れを愛でることができるような関わりを是非心がけたいと思います。

人間は、節目が必要です。恒例の作業が必要です。日々の研鑽の褒美として、時には何もしない時間も必要です。

その気になる環境や作業が必要なのです・・・

2 件のコメント:

  1. 節目・・


    大事ですね!


    大事な節目もあまり大事にできないほど、
    きっとみんなめまぐるしい毎日を過ごしているんでしょうね・・

    すこしでも、大事だった感覚を
    思い出してもらえる時間を作りたいですね。


    鳥の煮方教えてください!

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  2. kibiさん 有難うございます。

    これから年末年始にかけて、クライエントそれぞれの、年末年始に対する思い出や作業を大切にしながら、皆で関わっていきましょう!今度ぜひ鶏ダシ作りましょうね!

    いつも有難うございます。

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