20130712

作業療法と機能訓練


今日は,友利さんと竹林さんが当院で講義をしてくださいます.
震災で被災した私たち,そしてクライエントの為にと
ご多忙の中,お時間を作ってくれました.
参加者一同,心より感謝申し上げます.
たくさんの知識・技術を吸収して,
クライエントの生活に還元したいと思います.






多くの作業療法士,特に医療機関に所属する作業療法士たちは,
「ある問い」をずっと抱えてきた.
それは,「作業療法に機能訓練は含まれるか否か」という問いである.

「作業に焦点を当てた実践」が叫ばれるようになってから,
なおさらこの問いに対する議論を様々な場所で聞くようになった.

どうやら作業に焦点を当てた実践と機能訓練は,
まるで対立関係にあるような印象を抱くセラピストが多いようである.
 
作業に焦点を当てた実践を推進している現在の作業療法が,
一部のセラピストの誤解を招いたり,
クライエントの可能性をむやみに狭小化してしまうことがないように,
ここでは作業療法と機能訓練について,少し触れておこうと思う.

 多くの作業療法士が医療機関に所属する日本では,
疾病や障害の回復過程で作業療法が処方されることが多い.
当然クライエントは私たちに失った身体機能の回復を希望してくる.

このような状況で,作業療法士がクライエントの作業に焦点を当てようとしても,
クライエントと作業療法士の間では,
これから展開される作業療法に対する認識のズレが生じることは少なくない.

機能回復を希望するクライエントに対して,
いくら説明をして,作業に目を向けてもらおうとしても,
クライエントの機能回復への固執は強くなるばかりで,
信頼関係を築けないまま,
毎日マッサージや関節可動域訓練をした経験はないだろうか.

このような背景も手伝ってか,
日本では,「クライエントが機能回復に固執しないこと」が
セラピストの重要な関心事になっており,

機能訓練は「望ましくない作業療法」.
ADL訓練や趣味活動などを「作業療法らしい作業療法」
という印象を持っている作業療法士が沢山いる.

しかし作業に焦点を当てる実践と機能訓練は,
どちらが大切かという観点で語るべきものではないと思う.

作業ができるようになることを支援するのは,
作業療法士の大切な役割であることは言うまでもないが,

疾病や障害の回復段階にいるクライエントが,
病前の身体機能により近い状態で作業ができるようになる可能性があるのならば,
その可能性を否定するような支援は,
対象者のニーズに応えるという医療の本分に反する行為だと思う.
また,むやみに作業療法の可能性を狭小化してしまっていると私は思う.

ここで,作業療法に機能訓練は含まれるか否かの問いに対する
明確な答えの一例を示そう… (現在執筆中の未校正原稿より一部を抜粋)











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