20110415

innocence



当院は原発から69キロ


温泉街の中心


原発周辺の住人達が約400名、周辺の旅館に避難している


その中には、未就学の児童がおよそ40名


太陽を浴びることも許されずに、狭い部屋の中






今避難している多くの人達は、

もしかしたら永久に自分の住み慣れた地域に

帰れないかもしれない人たち













旅が楽しいのは、景色が綺麗だから?

旅が楽しいのは、新しい出会いがあるから?

旅が楽しいのは、興味のある建造物を見ることができるから?




旅が楽しいのは、帰る場所があるからだ





来週から、40名の子供達と、その親を対象に支援を開始


今日は初回打ち合わせ


チーム構成は、小児科医、看護師、OT、心理士、保育士、PT


県内の小・中学校でも5月末まで、体育をはじめとする


屋外活動が全面禁止になっている現在


屋外で子供達を遊ばせることは現実的に難しい


幸いにも当院に併設している保養施設の60畳の大広間を


提供してもらえることになった






子供が持っている最大の権利は


親という心身の安全基地を感じながら


何が起こるかわからない遇有性溢れる環境に


天真爛漫に飛び込める権利






最初にそれをチームに伝えた






提供し続けることは根本的な解決手段ではない


避難者達が、再び自分達であらゆる良循環を形成できる


その中で子供達が笑顔を取り戻せる


そんな状態が目指すべき形






今するべきこと


今できること


今すること


目指すべき形


行う理由


全てを鮮明にして、歩き出して


歩きながらまた考える
















奪われたものは命だけじゃない

奪われたものは家だけじゃない

奪われたものは仕事だけじゃない

奪われたものは自然だけじゃない

奪われたものは綺麗な空気だけじゃない
















奪われたものは子供達の笑顔







奪われたものは当たり前に太陽を浴びる権利

奪われたものは好奇心

奪われたものは無限に走り回ることのできる環境

奪われたものは友達との繋がり

奪われたものは汗

奪われたものは待ち遠しい明日



2 件のコメント:

  1. とりあえず、宮城県での第一回、災害派遣チームの任務終了しました。やることだらけで、最後はDrもNsも事務も薬剤師も、アシストとして総動員して作業療法してきました。ちょうど福島を通る時、この記事をスマホから拝見し、時間内にやれることを徹底的にやるという「覚悟」を決めて現地入りしました。田舎病院に帰る予定でしたが、祖母が他界し、電車で東京に来ています。侍OTさんのブログを始め、無くなった祖母や津波に奪われた多くの命、多くの“営み”に生かされている気がします。
    これは、始まりに過ぎないので、またすぐ、東北に来ます。

    返信削除
  2. 田舎OTさん 本当にお疲れ様でした。
    毎日ブログ拝見しておりました。
    とにかくすぐに結果をだす。田舎OTさんの行動力と
    臨床力、実践力に圧倒されています。
    意味ある作業が人を健康にするという意味を
    心から実感しました。
    僕も、少しずつではありますが、避難者の子供を対象に
    遊びを通した支援を開始しました。
    温かく、そして力強いモチベーションをいただきました。
    本当にありがとうございます。そしてお疲れ様です。
    お体無理しないよう、御自愛ください。

    返信削除