20130907

当事者が認識した作業機能は意味に付加されることがある.


昨日は福島県作業科学研究会 & 作業科学セミナーの実行委員会でした.
今回は,大阪から酒井ひとみ先生がいらしてくれました.








お昼まで臨床をしてから,酒井先生と合流.大好きな蕎麦屋の「わき水」で
ランチをして,セミナー会場の下見を行いました.








その後は猪苗代の DEN DEN COFFEE で美味しいコーヒーを飲みながら時間を過ごして,
猪苗代湖をのんびり眺めてから会場の太田西ノ内病院へと向かいました.









今回の研修会は,酒井先生から,「作業科学入門」と題したご講義をいただきました.
作業科学の始まりから現在までの歴史や,作業科学の位置づけ,過去に作業科学が
もたらした功績などについて,非常に分かりやすくお話していただきました.


作業科学という基礎学問を,作業療法士としてどのように扱い,向き合い,
自分たちの仕事に活かしていくか?またUSCを代表する作業科学の創始者達が,
何を考えて,作業科学を作り,発展させて来たのか?などがとてもよく分かり,
作業科学がより身近に感じることができる講義でした.


その後は参加者でワークショップを行い,研修会は21時半に終了.
とても濃密な時間となりました.


今回行ったワークショップは,札幌セミナーでも行ったものです.


①自分の携帯電話の画像を1枚選ぶ
②その画像に名前をつける
③なぜその画像を選んだのかを書き出す
④その理由を満たす作業を具体的に挙げる
⑤その作業について他者がインタビューを行い,
作業の意味・機能・形態を記述するというものです.


みんなで活発な話しあいを行い,充実した時間となりました.
実はこのワークショップは,以前から何度か福島県作業科学研究会でも
行ったことがありました.


このワークショップを行うと,いつも同じ疑問が会場から挙がりました.
それは,「作業の機能に入れるべきか.意味に入れるべきかを迷う項目がある」
というものです.


例えば,ライブに行くことが好きな人にインタビューをすると,
音楽が好きだったり,友人と盛り上がる場所に行くことが好きだったり,
ライブに行くことでストレス解消になったり…
沢山の作業の意味を語ります.


しかしそこで,ストレス解消は,自分にとって作業の意味でもあるけれど,
作業の機能にも入るのではないか?というような疑問,質問が上がるわけです.


この疑問については,参加者で何度もディスカッションをしてきました.
客観的に観察できるものは作業の機能に含めて,
当事者の主観でしか語ることができないものは,
意味に入れるべきではないか?など,色々な意見が過去にでました.


僕も正直,はっきりと説明することができなかったので,
この機会に酒井先生に質問させていただきました.
すると,とても明確な答えがかえってきました.


「それはおそらく…2回以上遂行したことがある作業なんじゃないですか」


つまり,作業を遂行することによってもたらされる効果や貢献(作業機能)は,
作業を行った当事者がそれを認識し,そこに意義を見出した場合,
次回その作業を遂行する際に,元々の意味に付加される形で,
作業の意味としての側面も持つことがあるということです.


ずっと悶々としていた疑問に対して,明快な答えをいただき,
僕達は,霧が晴れたような気持ちになりました.


研修会の後は,作業科学セミナーの実行委員会でした.
各係からの進捗状況の方向や検討事項の確認,新たな課題抽出などを行い,
話し合いが終わると時刻はすでに25時半をまわっていました.







酒井先生からいただいた貴重なアドバイスを活かして,
ぜひ面白い作業科学セミナーにしたいと思います.
参加される皆様.どうぞよろしくお願いいたします.









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