入院初期のクライアントNさんと
OT室で作業中
後輩NさんとクライアントのSさんが来室し
私達の対面に座った・・・
話しながら作業を進めていると
二人は出身が近所であることが判明!
認知症のSさんの時々合わなくなる辻褄を
セラピスト二人で会話の中でさりげなく修正しながら
地域のこと
農業のこと
昔のこと
仕事の苦労話
様々な話題で盛り上がった・・・
人間は過去の作業経験とその解釈により
今の自分を環境の中に定位し
そのされようから未来への希望が生まれる
しかし過去の作業経験は多くの場合身体機能に依存する・・・
障害を呈したクライアントの過去の経験は
“病気になる前は~”という前置詞が附属され
現在の定位を妨げ
未来への希望を生み出す材料として有効に作用しない・・・
だからこそ“新しい身体”で作業をしなければならない・・・
新しい身体で積み重ねる価値ある作業が
未来の希望感じる“今”を作り出す・・・
たとえストレートに価値を認識できない作業でも
作業していくことで生まれる肯定的な心理的変化は沢山ある・・・
私達は健康な身体を脅かす恐怖を意識しない・・・
私達の習慣は時間と空間を構造化し意識を開放する・・・
私達の遂行能力は自分と環境とを円滑に交わらせる・・・
私達の意志は未来に肯定的経験を期待させる・・・
自分のクライアントに今欠けているものは何か?
自分でベッドから起きられない
自分で排泄できない
自分で移動できない
自分で食事ができない
自分で入浴できない
自分で整容できない
自分で更衣できない・・・・・
それだけだろうか?
複雑系である人間の肯定的循環の構成要素・・・
殆どの人が生涯意識しないことを
必死に考え
悩み
苦しむ・・・
そんな作業を与えられた私達は
幸せである
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