昨日から学生さんが来ています。3週間の評価実習です。バイザーは、僕をいつも支えてくれる主任のMさんと成長著しいKさんです。今日、少し空き時間ができ、学生さんと立ち話をしていました。
侍OT:今日から評価開始だね!今日は何を評価するの?
OTS:今日は筋力と関節可動域と感覚検査をしたいと思っています。
僕も学生の時はそうでした。どうしても機能評価からはじめようとしてしまう。でも話をしていると・・・
OTS:昨日、お話をしていたら、毎日行っていた農業のことをとても楽しそうに話していたんです。だからできれば農業をまたできればなって・・・そのためには筋力も必要だし、感覚や可動域も重要だと思ったんです。
クライエントの作業のことを考えて今日の評価項目を選択したのだそうです。僕の悪い癖です。嬉しくなるとしゃべり過ぎてしまいます・・・
侍OT:すごく大切なことだね!農業が大切な作業だと思ったから今日の評価項目を選択したんだね!でも、それは本人は大切だと思っているのかな?
OTS:・・・それは分かりません・・・話の中に農業の話しが沢山出てきたので、大切なのかなぁと思ったんです。
侍OT:それはクライエント自身が大切だと思えて初めて作業療法の介入計画や評価項目が決まるんじゃないかな?クライエントの話しを聞くこと・・・作業療法面接は、こちら側が、クライエントの意味ある作業を知るという意味もあるけれど、クライエントが、自分の意味ある作業を再認識するという大切な時間でもあるんだよ!作業って、日常の中を流れているものだから、改めて意味や価値を認識することって難しいんだよ!病人として、患者という立場で入院している時ならなおさらだよね!クライエントは、身体を治してほしくて来ているからね!面接は、自分はこんな作業や、あんな作業を、こんな目的で行っていたから私はイキイキと生活してこれたんだ!ってクライエントが再認識できる時間になってほしいんだよね!
OTS:そうか!私はただ関係作りがしたくて、楽しく話すことばかり考えていました。
侍OT:それも大切だよね!イイと思うよ!今日の評価はどうしようか?
OTS:もう少し面接をする時間を取ってもイイですか?もっとEさんの大切にしていた作業を知りたいです。Eさんにもそれを思い出してほしいです。
侍OT:その気持ちがクライエント中心の作業療法の土台だと思うよ!面接は難しいと思うけど、応援してるよ!
とても素直な子です。好奇心と素直さは、成長の一番のエネルギーだと思います。実習は分かれ道です。クライエント中心の概念は、医学モデルのそれより、概念の理解は難解かもしれません。3週間という短い期間。時間的制約はありますが、是非作業療法士を志して良かったという感覚を持って帰ってもらいたいと思います。
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