20130320

祈りは神を変えずに祈る者を変える





いつも感じているジレンマに
いつも仲間と語るジレンマに
苦しみながらも同時に救われてもいた


大切なことをまわりに伝えた
大切なことをまわりに伝えようとした
伝わらないといつも嘆いていた


その瞬間伝えられない自分よりも
伝わらない相手の価値観の偏りに焦点が当たった







ある日別の世界を思い描いてみた
全てが伝わる理想の世界を思い描いてみた


全てが伝わる世界では
自分の無力さが露呈することに気付いた


自分の振りかざす専門性という剣は
要請を免除される中で自由を与えられた無責任な刃だった


全てが伝わらない世界を嘆きながら
全てが伝わらない世界のおかげで
無力さに目を塞いでいた自分に気付いた
伝わらない世界に守られていた自分に気付いた


いつか全てが伝わる日を夢見ながら
全てが伝わる日の訪れを恐れる自分に気づいた


変えなければいけないのは自分だった
変わらなければならないのは自分だった


心はそれを内的言語にすることさえ避けていたけれど
気付いていたからこそ言語化できなかった


自分を守り他人を変えようとするよりも
自分を変えることで世界が変わる
そう気付くまでには
決意と挑戦と経験とわずかな手応えの繰り返しが必要だった


自分を変えるとは
全ての恣意性や自己防衛を脱ぎ捨てて
クライエントに向き合うことから始まったし
自信は自分の誠実さとクライエントの変化が与えてくれた







経験しなければ実感できないことがたくさんある
いつも目の前に立ちはだかる壁の高さに絶望する
僕達の言葉は届かないかもしれない


でも絶望の中でもがきながらも
作業療法が好きで好きでたまらない
そう思えるまで歩を止めなかった人間がいること
それだけは伝わってほしいといつも思う





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