僕の職場では毎週水曜日の夕方,面接評価研修があります.
職員はADOC,COPM,OSA-2,OPHI-2の4班に分かれて
面接評価のスキルを身につけるトレーニングをしています.
このグループは3ヶ月でローテーションします.
1年間でこの4種類の評価法を臨床で使えるようにするのが目標です.
僕は今,COPM班に所属しています.
今日は模擬面接+ディスカッションを行いました.
OT役,CL役,観客に分かれてCOPM面接を実施.
面接後,それぞれの立場から意見を出し合います.
CL役をした2年目のEさんの感想です.
質問された時,自分には全く答えが用意できていないことに気づきました.
そんなことを考えたことも無かったという感じです.
でもいろいろ伝えたいことがありそうだという感覚も同時にあったんです.
私には答えを言う前に考える時間が必要でした.
面接の最初にYさん(OT役)が,「一緒に考える時間にしたい」と言ってくれたので,
私は焦ったり,安易に「何もありません」と回答せずに
自分の課題や希望について考えることができました.
ちなみにEさんの希望は,「毎日ちゃんと料理を作りたい」でした.
Eさんは,毎日帰宅時間が遅くなりがちで,簡単に食事を済ませてしまうことが
多いとのことです.料理をちゃんと作りたい理由は,
「大人として,自分の食事もしっかり作っていない現状に疑問を抱いている」
というものでした.
観客役をした2年目のI君の感想です.
何をしたいのか?だけではなくて,なぜしたいのか?を共有したことで
その後の介入内容が大幅に変わるということを感じました.
もしEさんの料理の理由が,「栄養をしっかり摂りたい」だったら,
手軽に栄養補給をする手段はたくさんあります.
「料理が大好きな趣味」だったら,
バリエーションを増やすことや時間の確保が課題になります.
今回のように,「帰宅が遅く,簡単に食事を済ますことが多いので,
大人としてもっとちゃんと料理がしたい」という理由ならば,
今回の場合,仕事を早く終えることなどが主な課題になります.
「なぜ」を一緒に考えることってとても大切なことだと思いました.
このような研修・ディスカッションを毎週行っています.
作業に焦点を当てるということは,
その作業を通して「どう生きたいか」に焦点を当てるということだと僕は思います.
自分自身が「どう生きたいか」を具体的にイメージしてみると,
そこには作業遂行が核となった物語が立ち現れます.
作業療法士がクライエントと共有するべきことは,
その物語と物語を構成している作業遂行です.
だから動作は「人」で語ることができても
作業は「人-環境-作業」の連関でしか語ることができないのです.
Yさんは「作業を教えてほしい」とは言わず「一緒に考える時間にしたい」と伝えました.
Eさんは「考える時間が必要だった」と言っています.
面接評価は「一緒に考える」という姿勢が何よりも大切です.
面接評価は「一緒に考える」という姿勢が何よりも大切です.
でも障害を持った実際のクライエントは,不安と絶望の中にいます.
「一緒に考える」ことは容易ではないかもしれません.
だからイラストをヒントにできるADOCは有効なのだと思います.
「どう生きたいか」を共有するために.
作業療法をするために.
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返信削除3980masaoさん,ありがとうございます.
返信削除よろしくお願い致します.