いつも世界は優しかったのに
いつの間にか脅威に変わっていた
孤独は世界とのつながりを求めるけど
つながることはたやすくなかった
必死に糸口を探そうとするけれど
導く答えは妥当性を欠くばかりだった
一時の心地よさを与えるものはいたけれど
いつどこから来るのかさえわからなかった
明日の保証は与えられなかった
過去の栄光は自分を保つために有効にみえたけれど
現実とのギャップに苦しむことのほうが多かった
自分を定位できない日々のなかで与えられる娯楽は
混沌の中の浮遊した感覚だった
従順であることを選択した事実は
安心という名で呼ばれる退廃的な日々だった
壁があるのならいつも壊したいと僕は思う
壁を壊すとは
世界と結びつくことができる感覚を持てるということ
世界が成立と安寧を内包していること
世界を受け入れる感覚の中に
自分を守る感覚から解き放たれること
作業療法の本質に疾患は関係ない
大切な作業を通して
世界と結びついて
よりよく生きること
よりよく生きようと思えること
クライエントが言葉を失ったら
想いを汲み取る努力を惜しまない
クライエントが僕を理解できないのならば
どうすれば理解できるのかを考える
どうしてもクライエントが世界と結び付けなかったら
僕がクライエントの世界の住人になる
学術誌「作業療法」に研究論文が掲載されました.
ADOCを使用した認知症者とのSDMに関する論文です.
世の中の認知症に苦しむ多くの方々が
もう一度世界と手をつないで笑顔になれるように
心をこめて書きました
研究論文、拝読しました。作業に焦点を当てた作業療法の実践のヒントがあったように感じています。数値や尺度だけでは捉えられない物の大切さもよく伝わりました。クライエントにも、一緒に取り組む作業療法士にとっても、大きな意味を持つ論文ではないでしょうか。ありがとうございました。
返信削除匿名さん
返信削除コメントありがとうございます.
いつも臨床家の実践に少しでも役に立つことができるように,
臨床現場と距離の近い論文を発信しようと思っております.
このようなコメントを頂き,本当に光栄です.
今後ともよろしくお願いいたします.