解剖,運動,生理,各種評価法…
学生の時に色々な勉強をして実習に望んだんだけど,
いざクライエントを目の前にしたとき,
頭の中に散在した知識をどのように使えばよいか全くわからなかった.
自分の行う評価の順序やまとめ方は,自分の考えは何もないままに
先輩の残してくれたレジュメやレポートのコピーをそのまま真似た.
その経験の積み重ねは,僕の思考パターンを形成したと思う.
当時,もちろん内容は完全なボトムアップだった.
「何かが違う」違和感を感じながらも,脱却には相当な時間が必要だった.
OSとの出会いや,MOHOにのめり込んだ経験.
CMOP-Eのシンプルかつ力強いメッセージへのあこがれ.
OTIPMの洗練された構造や自分の面接評価へのこだわり…
様々な興味の移り変わりや経験の蓄積によって,
結局みえてきたのは,何か特定の理論や技術を排他的に扱うことなく,
「クライエントの健康に作業の力で寄与するための支援」というシンプルな形.
その実践プロセスはトップダウンアプローチだった.
沢山の知識をインプットすれば,確かに妥当性の高い介入は可能になるかもしれない.
でもその知識をどう使うかについては,使い方の「ひな形」が必要だと思う.
「ひな型」があれば,余計な遠回りをせずに自分の知識を効果的に使えるようになると思う.
自分の遠回りを振り返って,心から思う…
例えば「ひな壇」があれば,どこにどの「ひな人形」を配置すれば良いかがわかる.
自分の人形をそのひな壇に並べてみれば,自分の持っていない人形にも気づける.
今,世の中のOTは作業に焦点を当てた実践を行いたいと意気込んでいる.
もちろん僕もその1人.
そのために,みんな色々な研修会に参加して,色々な本を買って頑張っている.
「人形」を沢山集めている.
でもその一方で「ひな壇」はどうだろう…
みんな一生懸命「人形」を集めているんだけど,
「どのように並べたら良いか?」「何が足りないのか?」
迷っている人が多いんじゃないかな.
だからここでアップデートしよう.
今度のADOCに附属する目標設定シートは,その流れがトップダウンになっている.
ADOCを使って面接を行ったら,評価結果でシートを埋めてみてほしい.
きっとみんなの思考や得るべきものについてガイドしてくれる.
作業療法で大切なことはクライエントが知っている.
作業療法が大切なことはみんなが知っている.
作業の可能化の条件はクライエントが知っている.
作業の可能化の手段はみんなが知っている.
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