20101112

涙の理由の変遷に見えた成長の軌跡に



秋です!福島はもうダウンジャケットを着ている人を見かけるようになりました。娘のアンパンマンにもこの帽子を被せる時期がやってきました。この帽子は、去年の冬に、クライエントのSさんが娘の為に編んでくれた大切な帽子です。娘がはしゃぐのでピンボケです・・・



夕方、後輩のKさんに相談を受けました。80代の男性Hさん。独居生活を営みながら、頻繁に健康センターに通い、大好きなお風呂を楽しんだり、そこで顔なじみの仲間との交流を楽しんでいました。彼は毎日英語で日記をつけているスゴイ日課を持っています。毎日の出来事を大学ノートに書き綴っています。毎日の楽しみであると同時に、自尊心を維持する大切な作業であるという印象を先日代行した際に受けました。

健康センターに通い、お風呂を楽しんだり、他者との交流を楽しんだりという作業の構成要素に、自動車運転が欠かせないのだそうです。健康センターまでの交通手段であると同時に、仲間を乗せてあげたりしているエピソードを自慢げに語るクライエントと毎日接する中で、Kさんはどうしても運転をまたさせてあげたいそうです。

心理検査の結果は、”運転の是非は境界ライン”との結果がでたそうです。おそらく主治医としては、高齢であることなどを理由に、運転を禁止しそうな印象が強いのだそうです。何とか定期的に来る高次脳機能障害や自動車運転の判断に長ける専門医の判断を仰ぎたいとのことですが、そこは病院という複雑な社会・・・依頼を主治医にお願いすることが難しい空気があるようです・・・

ぼくはKさんの切実な想いに心が切れる思いを抱きながらも、とても温かい気持ちに支配されていました。”できるか” ”できないか” ではなく、”させてあげたい” そしてその理由がHさんとのストーリーの共有の結果、そこに存在していたからです。

KさんがHさんのストーリーを守ろうとしているのと同時に、僕はKさんの作業療法を守る義務があります。非常に難しいプロセスではありますが、Kさんの想いを守るため・・・そしてKさんの想いを守ることによってHさんの価値ある作業を守るために行動しようと思いました。

いつも作業療法とは?が分からずに自信が持てなくて涙をながしていたKさん・・・・いつの間にかクライエントの大切な作業を守るための涙に変わっていました・・・クライエントの主観に寄り添う作業療法士の鏡のような後輩の価値ある作業をずっと守ろうと思いました。守れる存在でいなければと決意した夕方でした・・・






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