20101111

人生の四季の彩り・・・





学生が来ています。6週間の臨床実習です。スーパーバイザーはウチのスーパーエースのkibiさん。サブバイザーは急成長中のIさんです。今回の実習では、一般的な実習とは少し違ったアプローチで学生指導に当たっています。

最初の1週間は、クライエントに触れてはいけない。クライエントに触れる前に、徹底的にクライエントの人生に触れてもらう。そのプロセスの中で、クライエントの価値ある作業を共有し、重要性や緊急性を把握してから各種評価項目へと移ってもらうという流れで実習を行っています。

実習開始前、kibiさんと何度か話し合いをしました。学生が混乱しないだろうか?スケジュール的に時間が足りるだろうか?など様々な不安要素がありましたが、実行することになりました。

最初は学生さんの困惑した様子が目立ちましたが、少しずつ表情がイキイキと変化してきて、今では悩みながらも、日々の介入を楽しんでいるようにも見えます。

多くの実習が、医学モデルを基本として、セラピスト中心の思考の元に行われている現状がいまだに根強いのではないでしょうか?学生から見ても、その方が思考や考察は容易であることは想像に難しくありません。徹底的にクライエント中心の実習を臨床経験の無い学生に行わせることは、非常にリスクを伴います。ヘタをすると学生の混乱を助長し、作業療法への情熱をも削り取ってしまう可能性と表裏一体だからです。非常に指導力を問われる介入プロセスだと思います。

kibiさんとIさんは、そんな難題に見事に効果を出してくれています。この実習は、学生さんにとって、作業療法人生の大きな転機になるはずです。


人生に四季があるとすれば、学生さんは、正に春の真っ只中でしょう。そこで眩い太陽の光や養分を与えられることで、人生の夏が訪れます。

僕は、仕事が楽しくなってきたら人生は夏が始まると思っています。しかし、春にしっかりと光や養分を与えられなければ、夏の訪れは遅れ、訪れた夏も力強さに欠けるものになってしまいます。

学生さんは、これ以上無いくらいに、眩い光と養分を毎日吸収していると思います。今回の実習が力強い夏の訪れを保障してくれています。人生の秋に差し掛かっているであろうクライエントに対して、力の衰えを感じる前に、人生経験という紅葉の多彩な彩りに目を向けられるセラピストになってくれると信じています。

kibiさんIさん 毎日学生さんに対する質の高い作業療法をありがとう。











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