さっきとても嬉しい電話がありました
後輩の I 君からの電話でした
I 君はフィリピンパブで働いていたクライエント M さんを担当しています
M さんは運動機能に大きな障害は残存していないものの
迂言や記憶障害が残存していました
そんなクライエントと一緒に
I 君は毎日実動作を中心とした復職訓練を行なっていました
店のフードメニューを作る調理訓練をしたり
接客の会話をしながら突然の注文や複数の注文を受ける練習…etc
毎日 M さんの復職を何とか実現させようと支援してきました
そんな I 君から先日提案を受けました
「実際にお店で働くMさんの観察評価が必要だと思うので行かせてください」
正直最初は迷いました…
お店の営業時間や夜から深夜にかけてです…
でも I 君は病院内でできる評価は全て実行し
もうこれ以上の評価は実際の文脈の中でしかできないと判断し
僕達に提案してくれたのがわかりました
だから科長と相談し業務として承認することにしました
実際のお客さんがいるお店で評価をすることに対する交渉は
担当のMSWのIさんが行なってくれました
今夜はその評価の夜でした…
常連のお客さんが温かくMさんを迎えてくれたそうです
「俺が味を確かめてやるから◯◯作ってみろ」
そういって何度も注文をしてくれたそうです
ママは病前の M さんと現在の M さんの違いを冷静に観察し
今後フォローが必要な箇所について I 君と前向きな話し合いをしてくれたそうです
M さんは久しぶりの現場に少し戸惑いながらも
とても良い表情で一生懸命自分の役割に没頭していたそうです
残りの入院期間で解決するべき課題や復職に向けた確かな手応えを得て
I 君は帰路についたそうです
興奮した I 君からの報告を受けて
僕は嬉しくて少し鳥肌が立ちました
本当の実動作訓練とは
実際の物理的環境で行えることだけがメリットなのではありません
実際の時間の流れがそこにはあります
実際の役割がそこにはあります
実際の生きがいがそこにはあります
実際の結びつきや愛情がそこにはあります
作業遂行とは,人ー環境ー作業の連環です
その連環から「人」だけを取り出して
作業遂行の可否を判断することはできません
作業ができるかどうか
どうすれば作業ができるのか
それは連環の中でのみ妥当な判断ができるのです
だから作業療法は実動作による観察や訓練が大切なのです
勤務時間外に連環に飛び込んだ I 君が
それを身をもって表現してくれました
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